皆さんこんばんは。yuさんです。
家づくりを検討されている方は「長期優良住宅」という言葉を聞いたことがあるかと思います。簡単に言うと、「将来に渡り長く住み続けられると国から認められた住宅」のことです。
国が定めた基準をクリアすると、長期優良住宅の認定を受けることができ、税制面などの優遇措置を受けられるメリットがありますが、一方で通常であれば必要のない手順を踏む必要も出てきます。
(´・ω・`) ふーん。
本日は、長期優良住宅の全体像を掴んでいただけるよう、認定基準やメリット・デメリットについて解説していきます。

■長期優良住宅とは?
長期優良住宅とは、国が定めた長期優良住宅認定制度の基準をクリアし、行政の認定を受けた住宅のことです。長期優良住宅の認定を受けるためには、以下のような基準を満たす必要があります。
① 長期に使用するための構造及び設備を所有していること
② 居住環境等への配慮を行っていること
③ 一定面積以上の住戸面積を有していること
④ 維持保全の期間、方法を定めていること
■長期優良住宅の目的
この制度が始まった背景については、国土交通省のホームページに以下のように説明されています。
従来の「つくっては壊す」スクラップ&ビルド型の社会から、「いいものを作って、きちんと手入れをして長く大切に使う」ストック活用型の社会への転換を目的として、長期にわたり住み続けられるための措置が講じられた優良な住宅(=長期優良住宅)を普及させるため、「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」が平成20年12月5日に成立し、平成21年6月4日に施行されました。
このように長期優良住宅の認定制度は「多くの優良な住宅をつくり、手入れしながら長く大切に使うこと」を目的としてスタートした制度なのです。
認定基準を満たし長期優良住宅に認定されると、金銭的なメリット(税の優遇措置、補助金の支給等)を享受できます。また認定された計画に従ってメンテナンスをしていくことで、建物が将来にわたってシッカリと維持保全されます。
(´・ω・`) ふむ。
■長期優良住宅の主な認定基準

この制度は、建築の工法や新築・既存、一戸建て・共同住宅(マンション)等にかかわらず利用できますが、ここからは「木造新築一戸建て」に焦点を絞ってご説明いたします。それ以外についても知りたい方は、先ほどの国土交通省のホームページをご確認ください。
長期優良住宅にはどのような性能が必要かを定義したものが「長期優良住宅の認定基準」です。主な認定基準の項目は以下の通りです。
(1)劣化対策
・数世代にわたり住宅の構造躯体が使用できること
(2)耐震性
・極めて稀に発生する地震に対し、継続利用のための改修の容易化を図るため、損傷のレベルの低減を図ること
(3)維持管理・更新の容易性
・構造躯体に比べて耐用年数が短い設備配管について、維持管理(点検・清掃・補修・更新)を容易に行うために必要な措置が講じられていること
(4)省エネルギー性
・必要な断熱性能等の省エネルギー性能が確保されていること
(5)居住環境
・良好な景観の形成その他の地域における居住環境の維持及び向上に配慮されたものであること
(6)住戸面積
・良好な居住水準を確保するために必要な規模を有すること
(7)維持保全計画
・建築時から将来を見据えて、定期的な点検、補修等に関する計画が策定されていること
なお、国土交通省のホームページには各認定基準の内容について詳細な説明が記載されています。
例えば、住戸面積の認定基準項目であれば「床面積の合計が75 ㎡以上で、少なくとも一の階の床面積が階段部分を除いて40㎡以上あること(※ただし、所管行政庁が地域の実情を勘案して別に基準を定めることが可能)」と記載されています。
■長期優良住宅のメリット

長期優良住宅に認定されると、補助金などの金銭的なメリットを享受できます。一つ一つ確認していきましょう。
(1)住宅ローンの金利優遇措置を受けられる
住宅金融支援機構が民間金融機関と提携して提供する住宅ローン「フラット35」において、借入金利が最初の10年間0.25%(2022年3月31日申し込み分まで)引き下げられます。
(´・ω・`) なんだ、たった0.25%かよ。
と思った方、よく計算してみましょう。仮に借入残高が2,000万円あったとしたら、年間50,000円利息の支払い額が違ってきますよ!
(´・ω・`) !!
フラット35について詳しくお知りになりたい方は、住宅金融支援機構のホームページをご確認いただくか、私の以前の記事「住宅ローン~変動金利と固定金利どちらが有利か分からない~」にてご確認をいただければと思います。
なお、フラット35は取り扱う金融機関によって借入金利が変わることがありますので、ご注意ください。
(2)税の特例措置を受けられる
長期優良住宅に認定されると、住宅ローン減税制度の控除対象限度額が一般住宅の4,000万円よりも高い、5,000万円に引き上げられます。
住宅ローン減税制度は、年末の住宅ローン残高もしくは住宅の取得対価のうち少ない金額の方の1%が10年間、所得税・住民税から控除されるため、10年間で最大500万円の控除が受けられることになります。ただ、5,000万円も住宅ローンを借りる人は稀ですがね。。。
また、投資型減税を選択することもできます(ただし住宅ローン減税制度との併用不可)。投資型減税制度は長期優良住宅のみに適用される所得税の優遇措置で、標準的な性能強化費用相当額(上限:650万円)の10%をその年の所得税額から控除する制度です。ローンを組まずに自己資金で長期優良住宅を建てる場合は、この投資型減税制度の利用を検討しましょう。
(3)地震保険料の割引きが受けられる
長期優良住宅の認定を受け、長期優良住宅に係る書類(技術的審査適合証、認定通知書)を提出すると、建物の免震・耐震性能に応じて地震保険の割引を受けることができます。地震保険に加入する際は、これらの割引について忘れずに確認するようにしましょう。

その他、中小の工務店で家を建てた場合に受けられる補助金もあったりしますので、該当する方はチェックしてみてください。
■長期優良住宅のデメリット
(1)申請に手間と手数料がかかる
まず、一般住宅よりも着工までに時間がかかります。長期優良住宅に認定されるためには、所管行政庁の審査を経て認定を得る必要があるからです。さらに所管行政庁が適合証の提出を求める場合は、住宅性能評価機関による技術審査も必要になります。
また時間だけでなくお金もかかります。上記の審査には、それぞれ申請手数料を支払う必要があります。手数料額は所管行政庁やケースによって異なりますが、所管行政庁と住宅性能評価機関の両方を合わせて10万円におさまるくらいが目安です。「意外とお金がかかってしまった」と残念な思いをしないために、申請前に必ず所管行政庁に確認しましょう。
▼所管行政庁はこちらからお調べいただけます。
» 長期優良住宅建築等計画の認定を行う所管行政庁の検索
※一般社団法人 住宅性能評価・表示協会のホームページに遷移します
(2)維持管理の手間がかかる
長期優良住宅の認定を受けた住宅は、入居後も認定された維持保全計画に従ってメンテナンスを行わなければなりません。このメンテナンスは皆さんの義務になります。メンテナンスを怠ると認定が取り消され、税や補助金などの優遇を受けていた場合にその分の金額の返還を求められることもあるので注意が必要です。
(´・ω・`) マジ注意よ!
少し手間だと感じる人が多いのが、メンテナンスの履歴を記録しておく必要がある点です。所管行政庁からメンテナンス状況の調査が入った際に、「報告をしない」「虚偽の報告をする」等の対応をすると、30万円以下の罰金に処せられることがあります。いざという時に慌てないために、面倒でもきちんと履歴を残しておかなければいけません。
(´・ω・`) へー
■まとめ
長期優良住宅制度は金銭的なメリットはもちろん、長く安心して住める住宅を新築することで、その家に住む方が快適で安心な暮らしを送ることができます。デメリットもよく確認しながら、シッカリとご検討ください。
ではまた。
yuさん拝
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