皆さんこんばんは。yuさんです。
所用で立込み、3日ほど空けてしまいました。本日は、皆さんが特に自由設計の注文住宅で家づくりをされる際、ほとんどの場合になされる地盤調査についてお話し致します。なぜ、地盤調査を行わなければならないのでしょう?
(´・ω・`) なぜ?

■地盤調査とは?
地盤調査は、地耐力調査ともいいます。その地盤がどれだけの重みを支える力があるのかを調べるために行います。地耐力が足りない地盤は、皆さんが建てる家の重みを支えられず、地盤が沈んでしまい、家が傾いてしまうことがあります。これを不同沈下(ふどうちんか)といいます。
聞きなれない言葉かもしれませんね。不同沈下についてもうちょっと詳しくお知りになりたい方は、こちらのサイトをご覧下さい。地盤調査と補強工事を行っている会社のページです。
普段の生活に支障をきたすほどの不同沈下が発生した物件を是正する工事には、数百万円~1,000万円超の費用が掛かる場合もあります。是正したとしても、やはり物件としての価値は非常に下がってしまうのは間違いないでしょう。
だから、家づくりにおいてはシッカリとした地盤調査が必要になるのです。昔は地盤調査をしなくとも住宅を建築できた時代もありましたが、不同沈下発生など欠陥住宅の増加が問題になり、建築基準法が改正されたり、品確法が制定されたりして、現在では地盤調査がほぼ不可欠となっております。
品確法につきましては、こちらの記事で触れておりますのでご参照ください。
■地盤調査の方法
では、地盤調査ってどのように行われているのでしょう?

地盤調査の方法として、一般的に以下の3つの方法が採られています。
(1)スウェーデン式サウンディング調査(SWS試験)
一般の住宅建築の際に、最も多く利用されている調査方法です。鉄の棒(ロッド)にドリル上の部品(スクリューポイント)を取り付け、おもりで荷重をかけます。そこからスクリューポイントを回して、地中に貫入させていき、おもりの重さや回転させた回数によって地盤の強度を調べます。
・「深さ1.00m~1.25mの間は1kNの荷重をかけて4回転で進んだ…換算N値は3.8で粘性土か」
・「深さ1.25m~1.50mの間は自沈したぞ」
といった感じで試験結果を観ていきます。深さごとの地耐力がグラフで判ります。但し、このSWS試験は実際に目視で地質(砂質土とか、粘性土とか)を見るものではなく、測定値による推測となっています。調査コストは、私が勤務するハウスメーカーでは10万円程度と、最もリーズナブルで導入し易いのが特徴です。
(2)ボーリング調査(標準貫入試験)
ボーリングで地面に直系8cm程度の孔を開け、そこにサンプラーと呼ばれる鉄の筒状部品を挿入します。サンプラーの上からハンマーを所定の高さで落下させて、ハンマーによる打撃を何度要したかによって地盤の強度を測定します。
実績が豊富で、データの信頼性が高い分、調査コストも高くなる傾向にあります。私が勤務するハウスメーカーでは取扱いはあまりありませんが、20~30万円程度が相場だと思われます。
(3)表面波探査法
起震器と呼ばれる振動を発生させる装置と、振動を捉える検出器を地面に設置します。起震器から発生した振動が地面に伝わり、その振動の伝わる速さで地盤の強度を測定します。
測定器の設置方法や調査担当者の技量、地中の空洞や埋設物によって、測定結果が左右され易い調査方法です。調査コストはやや高めです。
■地盤調査の業者選び
地盤調査は一般的にはハウスメーカーなどで手配してくれるかと思いますが、その調査を行う業者がどんな会社かを調べておくのも必要かもしれません。調査の結果によっては、その後に地盤改良工事や基礎の仕様に関する見直しが必要になるからです。
調査の技量や知識、精度の高い業者にお願いすれば安心なのはもちろんですが、万が一のケースを想定し、建築後に調査不備などのトラブルがあった際の補償体制の充実度なども考慮しておくとベストです。
■地盤改良工事とは?
一般に、地盤改良工事が必要かどうかは、以下の2つの条件から判断されることが多いと思われます。
(1)地耐力(地面が建物を支える強さ)が、20~30kN/㎡以下の軟弱地盤と判断された場合
(2)敷地とその周辺が埋立地や盛土で造成された土地、過去に陥没があった土地、液状化などの可能性がある土地など、総合的な周辺事情により地盤の強化を要すると判断された場合
地盤改良工事には、主に以下の3種類があると言われています。

この中で、私が勤務するハウスメーカーでは、(小口径)鋼管杭工法がよく取り扱われています。商圏に弱い地盤が多いんですね。
この(小口径)鋼管杭工法は、鋼管で地中から建物を支える地盤改良工事で、理論上は軟弱地盤がおおよそ地下30m程度にわたってある場合に採用されます。地中にある固い地盤に鋼管の杭を打って建物を安定させます。「アンダーピニング」ともいいます。図の通り、鋼管杭で家を下から支えますので、不同沈下による家の傾き発生に大きな抑制効果が期待できます。
如何でしたでしょうか?以前から家づくりには土地が重要と言い続けていますが、その重要性が少しでもこの記事で伝われば幸いです。多少専門用語も入ってしまっておりますので、詳しくは別の記事で追々お話しして参ります。
ではまた。
yuさん拝
コメント
[…] 地盤調査と地盤改良工事についてお知りになりたい方は、こちらの記事をご参照ください。 […]