住まいに携わる者として ~レオパレス21の事件からハウスメーカーの姿勢を考える~

レオパレス21 住宅の法律あれこれ

こんばんは。yuさんです。

私が所属する住宅業界も様々な課題がひしめいております。クレーム産業などと揶揄されることもあります。

平成から令和になり、SNSの更なる進化、IoT、クラウド、ブロックチェーン…そしてAIと、情報化社会が一段と加速する時代に突入するなか、これから企業に求められるのは法令遵守は当たり前として、フェアな取引を行うこと、そして善良なる思想に基づき行動し、世間の共感を如何に得られるかが大切なポイントだと考えます

もう一つ、根本に立ち返ること。これも大事です。我々住宅業界はモノづくり企業であることを自認しなければなりません。衣食住という人間の根幹を支える者として、お客様に安心・安全を提供していかなくてはなりません。サービスは付帯物です。

品質を置き去りにし、ただ目先の業績、利益だけを追求する企業はこれから確実に淘汰される時代に突入します。私が勤務するハウスメーカーもこの傾向にあり、自省すべきことを警鐘するつもりでこの記事を書いています。(´・ω・`)

共同住宅の界壁

さて、レオパレス21さんの事件です。

早くも2年半が経ったのですね。2019年2月7日、同社は建築基準法違反などの疑いがあるアパートが最大で1,300棟あることを発表しました。当時の日経新聞の記事は、こちら

当時は国土交通省も動いて、大変な騒ぎになったのを記憶されている方もいらっしゃるかと思います。


レオパレス21の法令違反の概要

同社にはアパートオーナーとの家賃保証契約に関する問題などいくつもの問題がありましたが、この時に特に大きな問題として取り上げられたのは、建築基準法の定めに違反した施工(及びそれをチェックする検査体制)でした。

共同住宅の界壁

簡単に言うと、建築基準法30条の定めにおいて、

アパートなどの共同住宅は、界壁を小屋裏(または天井裏)に達するように施工し、その構造について国交大臣の定める基準に沿った遮音性能を求める

ことを求めています。同法114条でも界壁の構造を準耐火構造とした上で、界壁を小屋裏(または天井裏)に達するよう求めています。

レオパレス21さんの場合、

① 断熱材を指定断熱材(グラスウールまたはロックウール)とはせず、発泡ウレタンを使用し、遮音性能が足りていなかった

② 界壁が小屋裏に達していなかった(この記事のトップ画像)

(*´ω`*)おーい

これ、アパートの入居者にとっては、生活音がお隣にだだ漏れで、火事になれば燃え広がる…というとんでもないアパートです


法令違反の代償

レオパレス21さんは、いったい何のためにアパートを建てていたのでしょうか。目先の業績のみを追いかけた結果が、これです。

レオパレス株価

2018年5月に記録した1,023円の株価は、今や約15%足らずの148円。。。今や世間からの信用はゼロに近く、見向きもされておりません。

事件に思う事

ブログ「とあるハウスメーカーの法務部門責任者のささやき」の筆者

我々ハウスメーカーは、何のために世の中に存在しているのか、今一度しっかりと確認しなおし、真摯にモノづくりをしていきたいと心から思います。

適正なモノを適正価格で提供してその中から利益を頂戴する、基本に忠実に愚直に取り組む姿勢が、結果的に世間の信頼を得るものであると信じて。


この他、私のブログでは、ハウスメーカーと金融機関とが深く関与した不正の事例なども取り上げております。お時間・ご興味のある方は、お読みください。

ではまた。

yuさん拝

コメント

  1. […] そのほか、先日ご紹介したレオパレス21さんのアパートの事例のように、建築基準法に違反した住宅も当然に欠陥住宅に該当します。 […]

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